問題社員がいる場合の対応はどうすればいい?注意点などを解説
2026/01/26
問題社員が社内にいる場合、他の者の就業意欲や離職率が高くなってしまう場合があります。
今回は問題社員への対応方法や注意点などについて解説します。
問題社員への対応手段
会社が問題社員に対して取り得る具体的な対応手段には次のようなものがあります。
注意指導を行う
問題社員への対応は、まず冷静な注意指導から始めることが基本となります。
注意指導の目的は、単に相手を責めることではなく、具体的な問題点を指摘し、業務改善を促すことにあります。
口頭のみの注意では、後日「言った、言わない」という水掛け論になり、指導の事実を証明できなくなる恐れがあります。
したがって、指導を行う際は口頭だけで済ませるのではなく、書面やメールなど証拠が残る形で行うことが重要です。
注意指導の内容は、具体的な問題点を「5W1H」を意識して明示し、本人が自覚できるように伝えます。
たとえば、遅刻が多い社員に対しては、具体的な日付と遅刻した時間を提示し、それが業務にどのような支障をきたしたかを説明します。
また、指導のたびに日付、内容、本人の反応などを詳細に記録しておくことが大切です。
これらの記録を整備しておくことで、後に法的紛争となった場合に、企業側が改善の機会を十分に与えたことを示す有力な証拠として活用できます。
配置転換などを行う
注意指導を行っても改善が見られない場合、あるいは特定の人間関係が原因で問題が発生している場合には、配置転換を検討することも有効な手段です。
配置転換によって職場環境や業務内容を変えることで、本人が能力を発揮できるようになったり、周囲との摩擦が解消されたりする可能性があります。
会社は、労働契約上の制約がない限り、広範な人事異動の裁量権を持っています。
ただし、嫌がらせを目的とした配置転換や、本人の技能と全く関係のない過酷な業務への変更などは、権利の濫用として無効とされるリスクがあります。
あくまで、業務上の必要性に基づいた、本人への期待と教育的な観点からの配置転換であることが重要です。
懲戒処分を行う
度重なる注意指導や配置転換を行っても問題が改善されない、あるいは重大な規律違反があった場合には、懲戒処分を検討することになります。
懲戒処分には、軽い順に戒告、譴責、減給、出勤停止、降格、そして最も重い懲戒解雇などがあります。
処分を下す際には、あらかじめ就業規則に懲戒事由と処分の種類が具体的に明記されていなければなりません。
また、ひとつの行為に対して重すぎる処分を下すことは、社会通念上の相当性を欠くと判断され、無効になることがあります。
処分の対象となる行為と、選択した処分の重さが釣り合っているかどうか、過去の事例と比較して慎重に判断する必要があります。
懲戒処分を行う過程では、必ず本人に弁明の機会を与え、事実関係の確認を徹底することが求められます。
解雇を検討する
解雇は、雇用関係を強制的に終了させる最終手段であり、慎重な判断が求められる最も重い選択です。
安易な解雇は深刻な紛争を招き、企業に多額の賠償金や地位確認を求める訴訟のリスクをもたらします。
そのため、企業には解雇を決断する前に、最大限の改善努力を尽くしたことを証明できる体制が求められます。
解雇には、大きく分けて普通解雇と懲戒解雇がありますが、どちらを選択するかは、問題行動の内容や悪質性、就業規則の規定、そしてこれまでの指導履歴を総合的に考慮して判断しなければなりません。
問題社員がいたときの注意点
問題社員への対応において、企業側が陥りやすい不適切な対応は、かえって状況を悪化させ、法的な責任を問われる原因となります。
そのため、次のような点には注意が必要です。
問題社員の行動が職場秩序を著しく乱しているか確認する
問題社員がいたときの注意点として問題社員の行動が、客観的に職場の秩序や業務遂行を著しく乱しているものなのかを正確に見極める必要があることです。
他の従業員からの聞き取り調査を行う際は、偏った情報に振り回されないよう、複数の視点から事実関係を把握するようにしてください。
客観的な指標や具体的な事例を積み重ねることで、会社としての処分の正当性を裏付けることができるようになります。
懲戒解雇などの処分は慎重に判断する必要がある
問題社員がいたときの注意点として、懲戒解雇などの処分は慎重に判断する必要があることです。
懲戒処分の程度を判断する要素としては、行為の具体的な態様、被害の程度、行為の反復性、そして行為者の反省の有無などを総合的に考慮します。
解雇や懲戒処分の有効性は、客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が認められるかどうかが最大の焦点となります。
事前の注意指導や改善機会の付与が全くないままに解雇を行った場合、裁判では解雇無効と判断される事例が非常に多いです。
問題社員の行為がどれほど重大で悪質なものであっても、手続きの正当性を欠いていたり、事実認定に瑕疵があったりすると、無効となるリスクが常に付きまといます。
処分を決定する前には、法的リスクを最小限に抑えるために、労働問題に精通した弁護士のアドバイスを仰ぐなど、専門的な視点を取り入れることが賢明な判断となります。
まとめ
今回は問題社員への対応と注意点について解説しました。
問題社員を放置すると、周囲のモチベーションが下がってしまったり、会社のコンプラ意識が低いとみなされたりする可能性があります。
そのため、トラブルが起きたときには弁護士に相談することをおすすめします。
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